バランス1 vol.11

バランス

本日は職場内での勉強会でした。

テーマは「バランス」について。

バランスの構成要素

バランスの構成要素を考える時、Horalが提唱した6つのサブシステムを考える方も多いと思います。

リハビリmemo-転倒とバランス②に使用されている写真を引用

このサブシステムの概念はわかりやすく、私も患者治療に用いることが多いです。

入力系と出力系による分類

しかし、今回は上記のサブシステムではなく。神経路からバランスを捉えたいと思いました。

そのため、入力系と出力系に分けて考えると、下記のようになります。

入力系

(1)感覚

・外側脊髄視床路:温痛覚

・前脊髄視床路:粗大な触覚

・後索:振動覚、位置覚、精密な触覚

・脊髄小脳路:意識できない深部感覚

(2)前庭

・前庭脊髄反射:体の傾きに対して、抗重力筋が働き起立姿勢を保つ

・前庭動眼反射:頭部回転すると、打ち消す方向に眼球を回転させ、視線のぶれを防ぐ

(3)視覚

・視神経

出力系

(1)四肢の筋肉

・皮質脊髄路:意識したバランス

・皮質網様体路、前庭脊髄路:無意識でのバランス

(2)眼筋

・動眼神経:内直・上直・下直・下斜筋、上眼瞼挙筋、瞳孔括約筋、毛様体筋

・滑車神経:上斜筋

・外転神経:外直筋

ポイント

上記の経路を頭に入れて、実際の評価結果と脳画像と照らし合わせて一体どの経路が障害されたのかを考える必要があると思います。

感覚障害を改善させようと思うと、アクティブタッチや認知運動療法などを用いて、出力系の皮質脊髄路に特化した治療介入をしてしまいがちなのではないでしょうか?

皮質脊髄路は意識したバランスをとしては効果的かと思います。

しかし、大切なのは無意識でのバランスだと思っています。

日常生活を過ごす、歩行を行うこと時に、意識的にバランスを考えながらでは動作時の疲労感や動作が固定したパターンになりやすい気がしています。

また注意障害のある方や2重課題下では、より無意識でのバランスが必要となるはずです。

そこで重要なのは、運動学習理論を用いて潜在学習を進めることではないでしょうか?

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