こんばんわー!
今回で15回目の更新です。本日は論文抄録をしたいと思います。
論文紹介
米国心臓協会(AHA)が2014年にまとめてくれたニュース記事です。
オーストラリアでの研究がStrokeに掲載されました。
対象と方法
・発症後10年以上生存している虚血性脳卒中患者243人および出血性脳卒中患者43人にインタビュー
結果
・出血性脳卒中治療に使われる医療費が、発症後5年から10年までの間に31%増加
・虚血性脳卒中に関する年平均直接費は、発症後5年から10年までの間に約5207米ドルで安定していた
・出血性脳卒中に関する年平均直接費は、5年目での5807ドルから10年目の7607ドルへと31%の増加
・出血性脳卒中1症例あたりの平均生涯医療費総額は、4万3786ドルから5万4956ドルへと25%増加
・10年目での医療費の多くは、投薬、高齢者養護施設、インフォーマルケアの費用に当てられており、虚血性脳卒中のリハビリテーション費は減少した。
私なりの考察
出血性の場合の方が、脳画像に比べて機能が良好なことが多い。
そのため、なんとなく私のイメージでは、出血性の方が軽い麻痺の方が多く、医療費も安いと考えていましたが、見事逆でした。
2014年と
やや古い記事をまとめた理由として、
脳卒中に関する医療費の推定に10年間の追跡データを用いたのは、この研究が初めてだそうです。
そのため、国際的に話題になったそうな・・・←いや、私は知らんけどね。笑
ともあれ、出血性の方が医療費が高くなる。
特に日本では出血性の患者が海外と比べて多いと聞きます。「抗血栓療法トライアルデータベース – EBM Library」で調べてみると、
脳卒中の発症率自体は,欧米諸国と大差はなかったが,その発症様式は異なり,日本人では脳出血の割合が28%と欧米諸国の15%程度とくらべて有意に高かった。 この要因として,日本人では高血圧や低コレステロール血症の割合が高いことが関与しているかもしれない。
とのことでした。そうなると日本ではより脳卒中患者に対する医療費が諸外国と比較して高くなるかもですね。
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