本日は、論文抄録です。
論文抄録
フランスのNina A. Hilkensらの研究が、2017年Neurologyに掲載されました。
「Predicting major bleeding in patients with noncardioembolic stroke on antiplatelets」
というタイトルです。
対象と方法
・脳梗塞または一過性脳虚血発作(TIA)後に抗血小板薬を服用している患者
・6件の大規模試験を解析
・対象患者は4万3112例、累積観察期間は9万4833年に上っていた。
・心原性脳塞栓症でワーファリンを使用している患者は対象に含まれていない。
結果
・全対象患者のうち、1530例が大出血を起こしていた
・追跡開始から1年時点の大出血リスクは1.9%、3年時点の大出血リスクは4.6%と推計された。
・重症脳卒中後の出血リスク予測に寄与する因子として、
(1)男性
(2)喫煙
(3)ジピリダモール±アスピリンを使用またはアスピリンとクロピドグレルを併用している
(4)脳卒中後遺症スコアが高い
(5)脳卒中の既往が1回
(6)高血圧
(7)低BMI
(8)高齢
(9)アジア系人種
(10)糖尿病
の10項目を同定した。
・特に(8)高齢は大出血リスクの最も強い予測因子となった
私なりの考察
私の勤務先でも、既往歴に脳梗塞をしていて、今回は脳出血を発症した患者が来ることがあります。
初回の入院時に、上記の10項目を把握していれば、適切な患者教育をして、数年後の脳出血を防ぐことができるかもしれません。
私個人としては、喫煙と低BMIは、患者自身で取り組めることだと思います。
そのほかは、医師の指導を受けながら取り組んでいただきたいです。
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