2020年度発行予定の「脳卒中理学療法ガイドライン」の予想① vol.22

リハビリテーション

昨日、ガイドラインを読み込みました。色々と考えさせられることが多かったです。

今年度中に新しいガイドラインが発行させるそうです。そこで・・・

日本神経理学療法学会「脳卒中理学療法ガイドライン第2版」を予想しよう!

と思います。

現在上がっているCQ:Clinical Questionは以下の通りで13個あります。

順番にコメント書いて予想しますね。

CQ1:発症48時間以内の脳卒中患者に対して理学療法は有用か。

グレードA

24時間以内では推奨されない報告はあるが、48時間以内での積極的な運動、離床を推奨する

早期離床を促す方向にもっていきたいために「48時間」と記載している意図が透けて見える

CQ2:脳卒中患者に対して一般的な運動療法(関節可動域練習・筋力強化練習・有酸素運動・バランス練習)は有用か。

グレードA

早期から運動療法を提供することで、機能改善、ADL向上する可能性あるが、提供した運動療法に準じた機能が改善する。

これがAじゃなかったら、理学療法の仕事の大半は科学的根拠のない治療を提供していることになってしまうため、必ずAがつきます。

CQ3:運動機能障害を有する脳卒中患者に対して電気刺激(神経筋電気刺激、TENS)や振動刺激を用いた理学療法は有用か。

グレードA

過去でもA。

確かに効果的だなと思うことはあるので、臨床でも使っています。でも実際のところ、電気は研究しやすいという特徴があると思う。

CQ4:歩行障害を有する脳卒中患者に対してトレッドミルトレーニング(トレッドミルのみ、体重免荷併用、スプリットベルト)は有用か。

グレードB

過去では、歩行に関してのガイドラインに引用していた論文の大半がトレッドミル歩行について述べられていました。よってAとしたいところですが、たぶんB。ここ最近の海外論文では有効性に疑問を唱えることが多い。

2011年のダイジェストでは、トレッドミル歩行はグレードAといいながら、次のコメントで否定するという謎の論調でした。きっと協会はトレッドミルが嫌いなんじゃないかなー笑。←そんははずはない。

CQ5:立位・歩行障害を有する脳卒中患者に対して下肢装具療法(長下肢装具・短下肢装具)は有用か。

グレードA

過去でもA。きっと今回もAですね。

ここで重要なのは、「長下肢装具」という文章が加筆されている点です。長下肢装具についてのシステマティックレビューやメタアナは聞いたことがありません。RCTもないのでは?でも必ずAを付けてきます。数十例の介入研究を引用して、長下肢装具の有効性を述べてくると思います。確かに長下肢装具は有効性が高いと思っていますが、研究報告が少ないにも関わらず、ガイドラインに盛り込もうとしている意図が透けて見えるのが、凄く嫌いです。

CQ6:歩行障害を有する脳卒中患者に対して下肢ロボット、下肢機能的電気刺激は有用か。

グレードA

ロボットについては2011年度版でディスられていました。が、現代の研究報告数を考えると認めざる得ないのではないでしょうか。

判定に迷いましたね。ロボット嫌いな方も多くいるので。手段の1つなだけだし、好き嫌いは良くないぞ!笑

CQ7:脳卒中患者に対して、起立着座練習、歩行練習などの下肢に対する運動量(頻度もしくは強度)を増やすことは有用か。

グレードA

間違いない。

ついに量だけを述べたCQができましたね。引用する論文が気になるところです。前回みたいに意味不明な解釈をしないといいのですが。

前半戦終了

2020年度発行予定の「脳卒中理学療法ガイドライン」の予想の前半戦がここで終わろうと思います。

明日に後半戦です。

CQ自体に協会の移行を反映させようとしている意図が見えつつあるのは私だけでしょうか?

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