以前、歩行練習量の重要性についての記事を書きました。
そこから、では実際に練習量を増加させるにはどうしたらいいのか・・・
考えてみました。
結論
急性期病院では、自室でできるトレーニングを安全に提供する必要がある。
患者教育、物理療法、安全性と妥当性の検討が重要かもしれない。
急性期病院で時間外トレーニングを導入するための課題
(1)訓練室で時間外練習ができる患者が少ない
急性期病院の場合、全身状態が悪かったり、1単位しかできなかったりして、訓練室にきてリハビリを実施する患者が少ないかと思います。
後述しますが、トレーニングをする上で、安全性の確保は最優先です。訓練室内であればセラピストがいる環境でトレーニングができるので、ある程度の安全性が確保されると思います。
しかし急性期病院の場合、訓練室で時間外トレーニングができる患者は、外来患者、院内歩行フリー患者だけです。ADLが自立しておらず、練習時間を何とかして増加させてたい患者を訓練室に連れてくることがなかなかできません。よって、
提案1:自室でできる時間外トレーニングを導入する
(2)リスク管理ができない
ここ、最重要ポイントですね。
患者に良い治療を提供するには、安全でなければなりません。
一番な安全な治療ってなんですか?
それは間違いなく、ベッド上でのマッサージやストレッチです。いわいる”なんちゃってリハ”ですね。
これは安全にできます。患者を動かさないので、リスク管理はほぼ必要ありません。
でも、患者をよくできないことが多いのではないでしょか。
で、理学療法士は運動療法をベースで治療展開をすることが多いかと思います。
大切なのは、
提案2:時間外トレーニングを導入しても良い患者か判断できる知識をつける
が必要だと思います。
つまり、疾患・全身状態に関する知識や認知症、高次脳機能障害などを考慮して危険行動の有無を判断できる知識が必要かと思っています。
そして、リスク管理でもう1つ重要なのが、担当療法士が近くにいる環境で実施すること。
先述しましたが、急性期病院では自室でできるトレーニングを提供する必要があります。
安全性に配慮して、トレーニングメニューを考えるかと思いますが、万が一、もし万が一何か想定外のアクシデントが起きた場合に対応できる必要があります。
よって、時間的制約が課題となってしまいます。これについての解決策としては、
提案3:部屋が近い患者の治療または近くでカルテ入力をしている時に実施する
これしかないと思います。最後の課題として、
(3)使用できる機器が少ない
という点について。
・上司が時間外練習の重要性を認識していない(他責)
・リハ部が予算を出してくれない(他責)
通常ならこのように思うかもしれません。他責の考え方ですね。
昨日のボスマネジメントの記事でも書きましたが、相手を変えようとすることができないっと考えた方が良いでしょう。変えようとするのではなく、自分自身が変わる!
ボスに対する考え方のパラダイムシフトをして、自己を成長させる必要があると思います。
よって、私はこのように考えることにしました。自分が上司と交渉する能力がない(自責)
よって解決策として、
提案4:上司と交渉できる能力を身に付ける
課題に対しての具体的な解決方法
提案1:自室でできる時間外トレーニングを導入する
自室内でできる時間外トレーニングとして、教育と物理療法の2つ上げさせて頂きます。
患者教育、指導:筋トレ、反復練習、立ち上がり、歩行練習
物理療法:G-TES、IVES、ホットパック、AFOでの持続伸長
これらなら、安全に実施できる形で提供できるのではないでしょうか。次に、
提案2:時間外トレーニングを導入しても良い患者か判断できる知識をつける
これは勉強するしかありません。安全性と妥当性のあるトレーニングを提供したいですね。
安全性:疾患特性と症状の把握
妥当性:総負荷量、血液データ、食事、体重など
提案3:部屋が近い患者の治療または近くでカルテ入力をしている時に実施する
これはセラピストの努力でできます。多少面倒くさいなと思うかもしれませんが、そこはもう・・・
PASSIONでしょ!!
スケジュールの管理:予め空き枠を1単位作る、近くの患者を連続にする
昼前、夕方のカルテ入力時間を使う
もう1つありますが、これは非常に慎重に考えて欲しいです。
患者ごとでリハビリ重要度を判断 ※慎重に考える
どの患者も困っています。何か困っていることがあるから病院に入院していると私は考えています。
よって、優劣なんてつけてはいけないかと思いますが、どうしてもリハビリ時間を増やしたい患者がいることはわかっています。そんな時だけ、この考え方が必要かもしれません。
提案4:上司と交渉できる能力を身に付ける
これはもう頑張るしかありません。
また感情論かよ・・・
と突っ込まれそうですが。技術ももちろん必要ですね。少しずつ勉強していきましょう。
知識と技術は身につけていく
立場と役職は歳を重ねて解決する
新総理の菅さんが好きという言葉「人事を尽くして天命を待つ」ことが重要かもしれませんね。
まとめ
急性期病院で時間外トレーニングを導入するための課題とその解決法を考えてみました。
提案1:自室でできる時間外トレーニングを導入する
提案2:時間外トレーニングを導入しても良い患者か判断できる知識をつける
提案3:部屋が近い患者の治療または近くでカルテ入力をしている時に実施する
提案4:上司と交渉できる能力を身に付ける
繰り返しになりますが、安全にやることが最優先です。
上司に相談しながら安全に時間外トレーニングができるようチャレンジしてみてください。
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